学長あいさつMESSAGE
ごあいさつ
原爆投下から4年後の1949年、被爆地に開学した広島大学は「平和の大学」です。創立から75年、また前史の75年を加えて150周年の節目となる2024年を新たな原点として位置づけ、次の75年に向かって挑戦し続けることを決意しました。
私たちの思いは、学内公募を基に選定したキャッチフレーズ「漕ぎ出せ混沌の海に 走れ創造の彼方へ」に込められています。
広島大学の歩みを振り返ってみますと、学生紛争、東広島キャンパスへの統合移転、国立大学法人への移行、学術院の設置と大学院改革、さらには西日本豪雨災害、コロナ禍とまさに変革と激動の時代とともにあったといえます。まさに、これから求められるのは解のない難題に挑んでいくための母胎となる教養であり、文理の枠を超えた総合知であると考えます。
各キャンパスでは新たな飛躍に向けた胎動が始まっています。持続可能な未来をつくりグローバル化の拠点となる東広島キャンパスでは2021年10月、国際交流拠点施設「ミライ クリエ」がオープンしたのに続き、2022年8月からは米国アリゾナ州立大学サンダーバードグローバル経営大学院の広島大学グローバル校も学生の受け入れを開始しました。
大学発祥の地、東千田キャンパスへは法学部と大学院法学・政治学プログラムが2023年4月に移転し、医療人養成と最先端医療の拠点となる霞キャンパスも新棟などの整備が着々と進んでいます。
先ごろ、広島大学は国の大型競争的資金を相次いで獲得しました。「世界トップレベル研究拠点プログラム」(WPI)の「持続可能性に寄与するキラルノット超物質拠点」と、「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択された「広島大学ワクチン・医薬品製造拠点整備」です。これら事業を活用しながら、次代を担う人材を育てていきます。
さらには国の目標を20年前倒ししたカーボンニュートラルへの取組や地域と大学の共創による地方創生を目指すTown & Gown構想など全国のモデルとなる取り組みが進行中です。
2024年に向けて、広島大学が育んできた伝統と新たな未来を実感していただける記念事業を卒業生、元教職員、地域の皆様にもご参加いただける形で多彩に展開いたします。100年後にも世界で光り輝き続ける広島大学であるために、引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。